つなぎ温泉
[お問い合わせ先:(財)盛岡観光コンベンション協会 019-604-3305]

盛岡市の西部、周辺の緑を映し出す御所湖に面して広がる温泉街。盛岡市内から車でおよそ二十分という近さで、 昔から「盛岡の奥座敷」と言われ、観光客を中心にビジネス客などにも利用されている。標高866mの箱ヶ森を背後に、 しっとり落ち着いた温泉旅館や、近代的なホテル、保養所、民宿など二十軒余りが建ち並び、最近はリゾート地としての印象も強い。
雄大な岩手山と奥羽の山並みを目の前に仰ぐ湖畔の景色は、春夏秋冬はもちろん、一日の中でも朝に夕に美しいシーンを見せてくれる。 ポコポコした可愛い山容が並んでいるのは宮沢賢治の童話に出てくる「七ツ森」だ。 各旅館やホテルの温泉は、この眺望を配慮したお風呂が多く、湯船につかりながら光によってさまざまな色合いを見せる湖面や、 それを囲む山並みを眺めるのはとてもぜいたくな時間である。
清らかな水をたたえる御所湖は、雫石川をせき止めて造られた人造湖。 つなぎ大橋のたもとに立つ「シオンの像」は、盛岡市出身の彫刻家・船越保武氏の作品で、この湖ができた際、 市民運動によって建立された記念の像。絶好のシャッターポイントとして、写真を撮る人も多い。 夏は涼しげにヨットの帆が浮かび、秋は水面に紅葉が映え、冬は白鳥たちが静かに羽を休めるのを見ながら、 ちょうどいい湯上りの散歩コースになる。
ところで、つなぎ温泉の由来は11世紀半ばまでさかのぼる。光平5年(1062)、この地方が戦場となった前九年の合戦で、 安倍貞任を攻めた源頼義・義家親子が本陣を湯舘山に築いた時に発見したと伝えられ、 「つなぎ」の名は義家が愛馬を穴の空いた石につないで入浴したという伝説にちなむ。 今も、温泉街の一角には、そのルーツとなる石がしめ縄をかけて祀られてある。
県都・盛岡市に最も近く、付近には御所湖広域公園や小岩井農場、手づくり村など見所も多い。 また、網張温泉、雫石スキー場や岩手高原スノーパークなどのスキー場へも至近距離で、幅広い楽しみ方ができる温泉街である。
鴬宿温泉郷
[お問い合わせ先:雫石町観光協会 019-692-5138]

つなぎ温泉からさらに車で10分余り奥に入った鶯宿温泉は、鴬宿川沿いに湯宿が建ち並び、 落ち着いた昔ながらの温泉場の風情が香り立つ。北側に岩手山、西側には駒ケ岳を望み、 名前の如く春から秋にかけては周囲の山々にウグイスの声がこだまする静かな温泉街だ。 開湯は古く、およそ400年前。かつては、南部藩主もたびたび湯治に訪れたという名湯だ。 「鴬宿」という名前は、天正年間、傷ついた一羽の鶯が温泉に傷口を浸して治しているのをきこりが発見し、 それ以来「鶯の湯」と呼ばれるようになり、やがていつの間にか「鴬宿」と言うようになったという。今も、切り傷や火傷などの外傷によく効く温泉として知られている。
昭和40年代までは湯治客を中心にしたわずか十数軒のひなびた温泉街だったが、現在は旅館やホテルなど30軒を超え、 飲食店も並ぶ県内有数の温泉郷になっている。中心に元湯があり、各宿がそこから引き湯している。 盛岡市内からも車で30分余りとアクセスがよく、岩手山周辺のスキー場にも近い。 少し遅れて5月10日ごろに咲く桜の時期と、秋祭りと紅葉が重なる時期は特ににぎわう。鴬宿川と奥のダム湖畔は知る人ぞ知る釣りの好ポイントであり、 釣り客の基地としても利用されている。
周辺の温泉
鶯宿温泉のある雫石町は、ほかにも網張、玄武、国見、雫石、滝ノ上、など5つの温泉場があり、まさに温泉の宝庫だと言える。
八幡平・藤七・松川温泉
[お問い合わせ先:(社)八幡平市観光協会 0195-78-3500]

八幡平温泉
岩手山と八幡平の雄大な自然に抱かれた東八幡平エリアは松川から引き湯して開いたビッグな保養地。 温泉ホテル、旅館、ペンションなどが30軒ほど並ぶ。 中でも色とりどりの花を巡らした花の露天風呂(八幡平ライジングサンホテル)や庭園を模した露天岩風呂(八幡平ロイヤルホテル) が人気。 温泉郷の真ん中にある木造山荘風の建物は「八幡平温泉森乃湯」。日帰り専門だが、舞台湯と呼ばれる二段構えの露天風呂があり、 なかなか楽しい趣向を凝らしてある。
藤七温泉
標高1400mと東日本では最も高い所にあり、露天風呂からは岩手山をはじめ、八幡平の広がりを一人占めできる。 雄大な眺めをほしいままに、雲上の温泉で湯浴みしている気分に浸れる。 内湯は歴史を感じさせる檜風呂で、こちらも味わい深い。
松川温泉
曲がりくねった松川渓谷沿いにあり、ブナやナラの林におおわれた山あいの温泉。 奥から順に峡雲荘、松川荘、松楓荘と三軒の宿があるが、一軒一軒離れているので、まるで一軒宿の雰囲気が漂う。 湯量も豊富で、硫黄泉の白濁した湯が、いかにも”温泉”らしい匂いとともに安らぎの気分を与えてくれる。 それぞれの宿で個性的な露天風呂を備えているのも魅力。
奥中山・安比温泉郷

奥中山温泉
[お問い合わせ先:一戸町観光協会 0195-33-2111]
標高1018mの西岳山麓に広がる奥中山高原に湧き出た二つの温泉。一つは、奥中山高原センターハウスにある「煌星の湯」。 高原を見渡せる展望風呂や電気風呂があり、星の奇麗な場所であることから各施設には星の名前が付けられている。 もう一つは、自然休養管理センターに隣接する「朝朱の湯」で、サウナ、ジェットバス、露天風呂など八種類のお風呂を備える。 煌星の湯とともに、肌がすべすべになると女性に特に人気がある。光源から見える壮大な朝焼けが、温泉名の由来になった。
安比温泉
[お問い合わせ先:(社)八幡平市観光協会 0195-78-3500]
日本有数のリゾート地として人気が高い安比高原一帯は、温泉も魅力の一つで8つの温泉がある。ホテル安比グランドの中にある温泉と、 日帰り温泉の「APPI温泉パティオ」は、スキー場のゲレンデと直結している点が便利。 ブナや白樺林に溶け込んだ北欧風の建物は、「安比温泉岩畑の湯」で、高原の中腹から見下ろすロケーションがいい。 海水の二倍の濃度で日本屈指の強食塩泉で知られるのは「新安比温泉」。湯上り後も塩分が体の表面を覆い、 湯冷めしにくい。
民宿街にある「かみの湯」、「綿帽子温泉館・あずみの湯」、漢方の薬湯で知られる米代川沿いの「田山温泉」などよりどりみどり。 もちろん、すべて天然温泉で個性的な味わいがある。
金田一温泉郷

金田一温泉
[お問い合わせ先:二戸市観光協会 0195-23-7210]
二戸市の中心部から車で20分余り、のどかな田園とりんご畑の中にある県北を代表する温泉郷。 座敷童子のミステリーや湯煙り美人の伝説が伝わる歴史ある湯の里である。 開湯は古く、千年以上も前、蝦夷の大酋長アテルイが湯浴みしたのが始まりと伝わる。 江戸時代は南部藩指定の湯治場となり、「侍の湯」と呼ばれた。
宿は十数軒あり平成10年に明るくて気軽に利用できる日帰り専門の金田一温泉センターもオープンして、新たな人気を呼んでいる。
新山根温泉
[お問い合わせ先:(社)久慈観光物産協会 0194-52-2111]
久慈市内から車で30分余り、今なお山村文化の残る山根地区にある温泉。 白濁した強いアルカリ性の泉質が自慢で、「つるつる」「すべすべ」した湯あがり感がある。
かつてこの地を訪れた俳優の森繁久弥さんが「べっぴんの湯」と名付けた。サウナ、泡風呂、子供用のお風呂も備える。 北上山系に数少ない温泉として人気が高く、4月から12月まで月1回、近くの桂の広場では郷土色豊かな「くるま市」が開かれる。
花巻温泉郷
[お問い合わせ先:(社)花巻観光協会 0198-22-5557]

岩手県を代表する大温泉郷として知られる花巻温泉郷は、大きく二つのエリアに分けられる。 ひとつは台川に沿って開けた台温泉と花巻温泉。もう一つは豊沢川に沿って点在する松倉温泉、 志戸平温泉、渡り温泉、大沢温泉、高倉山温泉、鉛温泉、新鉛温泉である。この辺りは、古くから交通の要衝地として開け、 城下町花巻の奥座敷や湯治場として親しまれてきた。
花巻は東北新幹線、東北自動車道、そして県内唯一の空港を有する交通至便な地で、 盛岡、平泉、三陸などへアクセスする観光拠点として県内有数の収客数を誇っている。
花巻温泉は大正12年に開設された東北有数の温泉地。5つの旅館を一つの会社が経営しており、 その中でもホテル千秋閣は、東北最大級の規模を誇る。 山々に囲まれた広大な敷地内には、赤松や桜並木が林立し、ツツジが色を添えている。 庭園の一番奥の佳松園は、桂離宮に似せた数奇屋造り。大浴場は奈良の夢殿をモデルにしたといわれるエレガントな円形のお風呂。 ガラス越しに粋をこらした美しい日本庭園が見える。
台・新湯本
[お問い合わせ先:(社)花巻観光協会 0198-22-5557]

台温泉
花巻温泉から約2kmほど入った山あいの温泉。くの字に曲がった道沿いに十数軒の温泉が並び、旅館を結んで坂道が続く。 800年の歴史を誇る名湯で、南部藩の隠し湯として栄えた。花巻温泉の源泉になっており湯量は花巻温泉郷随一と言われる。
新湯本温泉
山あいにひっそりとたたずむ癒しの温泉宿「美翠館」。肌をいたわるやさしいお湯、自然の素材で作った季節のお料理、 そして温かな心配りが安らぎの時間を与えてくれる。朝市やお祭りなど昔ながらの風物詩もゆったりっころをなごませてくれる。
志戸平・渡り・大沢・鉛温泉
[お問い合わせ先:(社)花巻観光協会 0198-22-5557]

志戸平温泉
今を去ること800年前、坂上田村麻呂が東征の際に発見したと伝えられ、元禄二年の開湯以来300年の歴史を刻んでいる。 豊沢川の渓谷沿いに大きなホテルと静かなたたずまいの旅館「志だて」がある。中でも、ホテル志戸平は大浴場の「千人風呂」が名物。 大きな湯船から立ち上る湯気で、向こうが見えないこともある。 豊沢川にせり出すように造られた「大露天風呂」も四季折々の風景が楽しみ。その他にも渓谷大浴場「日高見の湯」、 「渓谷展望露天風呂」など、まさに温泉天国の宿だ。
南花巻渡り温泉
和風情緒にあふれた近代的な温泉ホテル。「かえで」と「さつき」の二つの建物があり、それぞれに男女別のお風呂と露天風呂がある。 さらに別棟の「錦の湯」は芳しい香りに包まれた檜風呂。 ガラス越しに眺められる美しい日本庭園と懐石料理も人気の一つだ。
大沢温泉
曲がり橋の先に豊沢川をはさんで茅葺き屋根が見え、昔ながらの湯治場も残る大沢温泉は、山の湯情緒がたっぷり。 旅館部の「菊水館」、新館の「山水閣」、そして自炊部の湯宿がある。中でも昔からの名物だった豊沢川沿いの露天風呂は、 全国にファンを持つ。今もあえて男女混浴だが、最近は女性客も増えているとか。 川風に吹かれながらどっぷりと入る開放感は、何物にも代えがたい。 山水閣の大浴場は、春から秋にかけては川に面した窓も全部取りはらうので半露天風呂になる。 このほかにも、菊水館の大浴場、自炊部の大湯などがあり、湯船のハシゴができるのも楽しみだ。 ここに宮沢賢治や高村光太郎もよく通ったという。
鉛・新鉛温泉
大沢温泉からさらに豊沢川の上流へ向かうと高倉山温泉、さらに鉛温泉、新鉛温泉と続く。 鉛温泉は「藤三旅館」という一軒宿がひっそりと建つ。 田宮虎彦の「銀心中」の舞台となったところで、木造三階建の建物が当時の雰囲気を今も伝えている。 ここの名物風呂は深さ140cmもあり、立ったままで入る「白猿の湯」。浴槽から見上げると天井が高く、地の底にいる気分だが、 これは昔。川からお湯が湧き出し、そこから引き湯したので川と同じ高さになり、地下状になったのだという。
白猿の湯の由来は、今から500年前、温泉主・藤井家の祖先が高倉山できこりをしている時、 岩窟から出てきた一匹の白猿が、桂の根元から湧出する泉で手足の傷をいやしているのを見て、 一族が天然風呂として用いるようになったことによるものと言われている。
湯本・湯川・夏油・瀬美温泉

湯本温泉
[お問い合わせ先:西和賀町観光協会 0197-81-1135]
駅舎からしてすでに「ほっとゆだ」という温泉が付いている旧・湯田町(現・西和賀町)は、その町名が、 昔、田んぼの中から湯が沸いていたことに由来するといわれている。湯本温泉は、江戸時代万治元年に発見されたと伝えられる古い温泉で、まさにその源だったといわれるところ。和賀川の清流に沿って十数軒の旅館が建ち並び、夜にはネオンも輝く。 かつて正岡子規が投宿し。「山の温泉や裸の上の天の川」という句を詠んだことでも知られる。
湯川温泉
[お問い合わせ先:西和賀町観光協会 0197-81-1135]
出途の湯、中の湯、奥の湯の三つからなり、いずれも湯量が豊富で泉質もそれぞれ違う。 薬湯といわれ、昔から岩手・秋田両県の湯治場としてにぎわっている。 自炊館兼用の旅館も多いので、のんびりと湯治も可能。珍しい電磁風呂(大扇旅館)、黄金風呂や宝石風呂(高繋旅館)もある。
夏油温泉
[お問い合わせ先:北上観光協会 0197-65-0300]
ブナの原生林に囲まれ、栗駒国定公園の焼石連峰に位置する自然豊かな温泉。「全国名湯百選」の一つになっている。 渓谷の自然浴と合わせ、野趣に富んだ露天風呂、洞窟風呂が楽しめる。露天風呂は夏油川の流れに沿って、大湯、真湯、目の湯、 滝の湯、疝気の湯、小天狗の湯などがある。
天然の岩風呂で、どれも混浴と大らかだ。天然サウナの洞窟むし風呂は、懐中電灯を頼りにアドベンチャー気分もつのっておもしろい。(冬季は閉鎖)
瀬美温泉
[お問い合わせ先:北上観光協会 0197-65-0300]
夏油温泉の入口にあり、緑とせせらぎの音が心地よい静養向きの温泉。四つの源泉があり、 さまざまな症状に効果があるが、特に皮膚病によく効くといわれている。 特に女性には美肌になれる”美人の湯”としておすすめしたいところ。
二か所の内湯と、露天風呂があり、湯上りもポカポカして湯冷めしにくいことも特徴だ。
厳美渓・矢びつ・須川温泉
[お問い合わせ先:(社)一関観光協会 0191-23-2350]

厳美渓温泉
一関の市街地から車で約15分、景勝地「厳美渓」のほとりにある。「いつくし園」と「渓泉閣」の二軒の和風旅館があり、 いずれも客室から厳美渓を望めることで人気が高い。庭園と見事に調和した大浴場の広い湯船からは磐井川のせせらぎが聞こえてくる。 湯あがりに渓谷を渡る風に吹かれながら散歩するのも風情がある。
矢びつ温泉
昭和63年、かつて中尊寺があったという山王山のふもと、矢びつダムの近くに突然湧き出した温泉で「瑞泉閣」という宿が一軒。 窓が大きくとられた大浴場の「瑞泉の湯」と、岩を配した露天風呂は、周囲を取り囲む瑞山の自然に溶け込み、 四季折々風情を感じさせる。 透き通ったお湯は、水を一切加えておらず、原泉そのまま。薬効成分が豊富に含まれている分、 高い効果が期待できる。 霊験あらたかな湯に浸かった後は、美しい日本庭園を散歩したい。
須川温泉
お花畑や紅葉の美しさで登山者に人気の高い栗駒山を岩手県側では須川岳と呼ぶ。 その中央にある剣岳の北のふもと、標高1100m付近に湧き出る温泉。 藩政時代から湯治の湯として有名で、湧出量は毎分6000リットルと湯量たっぷり。 緑色を帯びた白濁色で、強酸性。いかにも効きそうだ。 数カ所ある浴場の中でも、湯滝を楽しむ大浴場の千人風呂(混浴)や別棟にあるむしろ敷きの蒸風呂・おいらん風呂は須川温泉の名物であり、 ぜひ入ってみたい。(冬季は閉鎖)

















