岩手の山 《春版/花を楽しむ春の山》

マンサク

 春は一年の始まり。旅立ちのとき。全ての生きものたちが躍動を開始する季節。
 立春の頃には「春は名のみ」の北国にも、桃の節句には、その先駆けが到来します。三寒四温のためらいを振り切り、「北国の春」を宣言するかのように、県都盛岡中心部・岩手公園(盛岡城跡公園)にマンサクが咲き始めます。
  しかしながら、盛岡周辺の里山は、まだまだ残雪の世界です。

 4月中旬近くになって、ようやく残雪も後退。新芽が膨らみかけた樹林帯にはマンサクやキブシが春を告げ、雪が消えたばかりの湿地帯には、小さなミズバショウが遠慮がちに顔を見せる。そして南側山麓の陽だまりにはカタクリやキクザキイチゲなどの競演も始まります。

キブシ

カタクリの芽吹き

 『春山』と言えば、多くの人たちは残雪や春スキーなどを連想するでしょう。
一方、『春の山』には、新緑の中に微笑む可憐な山の花たちを思い浮かべる方も少なくないと思います。また、フキノトウやコゴミ、ワラビやゼンマイなどの山菜の楽しみも重なるかもしれません。
 目的はそれぞれですが、春は待ちかねた山へ人々を誘う使者であり、山の花たちとの再会に胸弾ませる季節でもあります。
春の花を楽しめる山々は県内全域にあり、いわゆる「裏山」から高山まで、枚挙にいとまなしです。
  これらの中から、筆者にとって、特に「春になると気になる山」の幾つかをご紹介します。
 

今回ご紹介した山々のほかにも、カタクリなどを楽しめる盛岡市近郊の山としては、太田薬師(約408m)、箱ケ森(約866m)、鞍掛山(約897m)、黒森山(837m)などが挙げられます。